東城高等学校創立85周年記念式典開催 

記念行事の概要   記念式典      学校長式辞     県教育委員会挨拶
実行委員長挨拶 PTA会長挨拶 生徒会長挨拶 祝  辞
記念講演 記念演奏会 中国新聞記事


 広島県立東城高等学校創立85周年記念式典
を5月14日(金)午後1時20分、東城高校第一体育館で挙行しました。式典には東城町長代理の松永助役様を始め25名のご来賓、主催者側には県教育長の代理として木村備北教育事務所長様にご出席いただきました。学校長の式辞では先輩達のこれまでの足跡を受け継ぎ、今日の式典に生徒として出席できることを誇りとして一人ひとりが自分の目的意識を再確認する中で「一歩前進」する決意を新たにして頑張ろうと呼びかけました。オフトークなどでご案内した地域の方々や保護者、約50名の出席も得て、東城高校を激励する多くの挨拶や祝辞をいただき、厳粛な内にも心温まる約30分の記念式典は終了しました。
 記念講演では本校昭和38年度卒業生で前広島県警察学校長の岡野政義様に「少年非行の現状と健全育成」と題してご講演いただきました。講演では犯罪防止の視点から少年非行の実態を経験に基づいて分かり易く述べられ、分別を持って行動しなければならないこと、また本校卒業後の警察官としてやれば出来るという努力された過程なども話していただけました。
 記念行事では広島県警察音楽隊の演奏とカラーガードによる演技をお願いしました。約1時間の演奏会の前半では「世界で一つだけの花」など、ポピュラー・ジャズ・演歌など幅広い演奏で楽しませていただきました。また、東城交番の縄稚さんも演奏に加わっていただき、警察音楽隊が大変身近なものに感じられました。後半は本校吹奏楽部もジョイント演奏に加わって「ブラジル」など数曲や「東城高校校歌」の演奏も一緒にさせてもらい、なかなか出来ない素晴らしい経験をさせていただきました。

学校長式辞 来賓席 主催者実行委員会 生徒席
記念講演 記念講演:岡野政義様 記念講演 一般参加者・保護者・教職員
式場前部より 記念品:卓上置き時計 記念品 お土産


創立85周年記念行事について
1 式典の概要

 
 日時 平成16年年5月14日(金)13:20〜15:30
   会場 本校第1体育館
   列席 生徒165名、教職員、保護者、同窓会会員、来賓 他

   日程  
     記念式典(13:20〜13:50) (進行:総務部)
          ・開式の辞 (教頭)
          ・国歌斉唱   (伴奏:吹奏楽部) 
          ・校長式辞 (校長)
          ・広島県教育委員会挨拶(木村備北教育事務所長様)
          ・実行委員長挨拶(名越同窓会長)
          ・PTA会長挨拶(亀田PTA会長)
          ・生徒会会長挨拶(生徒会会長)
          ・来賓祝辞   (松永東城町助役様)
          ・来賓紹介   (教頭)
          ・校歌斉唱   (伴奏:吹奏楽部)
          ・閉式の辞   (教頭)

     記念講演(13:50〜14:20)
          ・講師並びに演奏者紹介 (紹介:名越光治同窓会事業部長)
          ・講演[岡野政義前警察学校校長(本校卒業生)](30分)
              講演テーマ「少年非行の現状と健全育成」
          
           講師のプロフィール
              昭和38年度東城高校卒業 
              廿日市警察署長
              暴走族担当責任者
              生活安全部参事官
              広島県警察学校長
              平成14年 警視正に昇進
              平成16年3月末 退職
            現 暴力追放広島県民会議専務理事 
               修道大学人文学部非常勤講師


       休憩 (10分)演奏会準備

     記念行事(14:30〜15:30)
          ・演奏 (広島県警察音楽隊) (50分)
            本校吹奏楽部とのジョイント、最後に校歌と数曲
          ・花束贈呈(講師,指揮者)
           (吹奏楽部の応援歌で贈呈)
          ・お礼の言葉(名越実行委員長)

     同窓会総会(16:00〜17:00 遊YOUサロン東城)

     祝賀会  (17:20〜 遊YOUサロン東城,会費3,000円)(教職員,同窓生,PTA,来賓他)


式辞・挨拶祝辞

式 辞
 

 風薫るさわやかな五月の季節、本日ここに広島県立東城高等学校の創立八十五周年記念式典が多数のご来賓をお迎えして関係者が一同に集い、このように盛大に挙行できることになりました。
 これまで本校は創立以来一万二千名を数える先輩方がこの学舎において、幾多の困難に遭遇しながらもこれを克服して地域社会の発展と共に青年の志を磨きながら巣立って行かれました。もとよりこのことはひとえに広島県教育委員会を始めとして同窓会、PTA関係の皆様方、又、明日の東城町担う青少年の教育に格別の想いを致されている地域住民の暖かいご支援ご協力をいただき、さらには歴代の校長先生を筆頭とした教職員一人ひとりの熱き思いが脈々と受け継がれてきた賜でありまして、ここに慎んで深甚なる感謝の気持ちと敬意を表すものであります。
 さて、在校生の皆さん、これからの東城高校を背負って立つ主役は間違いなく君たちです。先輩方はここまでしっかりと確実に歩を続けて来られました。これからはその足跡、業績に想いを致しながら、託されたタスキを絶やすことなく後輩へと引き継ぐ責任があります。九十周年と言わず、百周年の式典行事は君たちの手でやっていくことになるのです。どうか、本日の式典に生徒として出席できることを喜び、誇りとして一人ひとりが自分の目的意識を再確認する中で「一歩前進」する決意を新たにして欲しいと思います。
 又この後ご講演をいただくことになっております岡野政義様、さらには演奏していただける広島県警察音楽隊の皆様方にはご多忙の中こころよくお引き受けいただきまして、本行事が一段と意義深いものとなることができました。改めまして熱くお礼申しあげます。
 最後になりましたが、本校の益々の発展のため、今後とも尚一層のご支援ご協力を賜りますよう皆様方にお願いいたしました私の式辞といたします。
                        平成十六年五月十四日
                                        学校長 藤原崇郎

広島県教育委員会挨拶

 本来ならば広島県教育委員会常磐教育長が参って挨拶をすべきところではございますが、公務のため出席できません。代わりまして、只今ご紹介がございました備北教育事務所、木村でございます。代わって挨拶をさせていただきます。
 本日ここに、広島県立東城高等学校創立85周年記念式典が多数のご来賓の皆さまのご出席を賜り、盛大に挙行されますことを心からお慶び申しあげます。東城高等学校は大正8年に東城町立実科高等女学校として開校されました。以来今日まで地域社会に貢献できる人材の育成という教育方針のもと、生徒一人ひとりが自分の将来に確かな方向性を見出し豊かな創造性を育んでいくことを目指した教育が行われて参りました。こうして85年という長い歴史と伝統を築きあげることができましたのは歴代の校長先生を始め、教職員の皆さま方の教育へのひたむきな熱意とたゆみないご努力、そして保護者、同窓会及び地元の皆さまのご支援ご協力の賜と深く感謝し、敬意を表すものでございます。
 さて、本校では東城町の温かい人の輪と豊かな自然を生かした教育が行われて参りました。例えば1年次のすずかけプランに始まる総合的な学習の時間では地域での勤労体験や自然体験、そして様々な人々との交流を通して問題解決能力を身につけ、創造性を高め、更に自己の生き方や在り方について考えを深める学習活動が展開されています。今後とも、この様な学校と地域が一体となった教育活動を積極的に展開され、時代の変化に対応できる個性豊かな人材の育成に引き続きご尽力いただくことを願ってやみません。生徒の皆さんには本日の記念式典を新たな出発点として先輩方が今日まで築き上げてこられた東城高等学校の良き伝統と校風を引き継ぎ、一人ひとりが自分の可能性にチャレンジし、21世紀を担う創造性豊かな人間へと成長されることを期待しております。また教職員の皆様方には保護者、同窓会、地域の方々の期待に応えるべく信頼される学校づくりを一層を進めていただきたいと思います。終わりになりましたが保護者、同窓会及び地域の皆さまの学校へのより一層のご支援ご協力をお願い申しあげますとともに東城高等学校がますます充実発展を遂げられますことを祈念いたしましてご挨拶といたします。

                   平成16年5月14日
                        広島県教育委員会教育長 常磐 豊 代読



実行委員長挨拶        
                    同窓会長 名越勝美

 同窓会会長の名越でございます。今回、東城高校創立85周年の記念行事を開催するにあたり、実行委員長をおおせつかりました。実行委員会を代表して一言皆様方にお礼なりご挨拶をもうしあげたいと思います。
 本日は創立85周年の記念式典の催するにあたりましてご来賓の皆様方公私ともにご多忙の中、お出でをいただきました。本当にありがとうございました。先程来お話ありましたように、大正8年、1919年5月の3日、東城町立高等実科女学校としてこの高等学校が産声をあげました。爾来ちょうど85周年、皆様方のご協力をいただきながら立派な校風を育てていただき、また一万数千名による卒業生は全国津々浦々の中で活躍をしてもらっております。そういった意味で、東城高等学校、本当に大きく育てていただいたと思っています。私どもは今の教育環境の重大なときに、尚一層地域の高等学校として守って行かなければならない、また育てていかなければならないと思います。先程話がありましたように生徒の皆さん、これから90周年、95周年、100周年に向けて東城高等学校の新しい伝統を築いていっていただきたいと思います。私どもも力を合わせてこの地域の中で唯一の高等学校として皆さん方とともに東城高等学校を育てていかなければならないという決意に立っております。これから明日と言わず、今日からまた気持ちを新たにしてそれぞれの道を進んでいきたいと思っております。尚一層皆様方のご協力をお願いいたしたいと思います。
 また最後に、先程話がありましたように岡野さんは同窓生であります。そういった意味でまた有意義な話をしていただけるだろうと思います。また警察音楽隊の皆さまには今上華を添えていただきましたことに心からお礼申しあげまして、一言、実行委員会としてご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。



PTA会長挨拶

 PTAを代表してお祝いを述べさせていただきます。本日は広島県立東城高等学校創立85周年、おめでとうございます。
 私が在校生の時創立50周年の式典がありました。その時の講演会を印象深く覚えております。それから35年が過ぎ、創立85周年のこの場に居合わせることを誇りに思っております。これもひとえに教職員の皆さまを始め、関係各位のご努力のたまものと深く感謝申しあげます。そして今、生徒数減という存亡の危機を乗り越えようと学校長を中心に先生方が懸命なご努力をいただいておるところであります。この努力が実を結び、創立百周年が滞りなく迎えることが出来ますよう、PTAといたしましても、総力を挙げてお手伝いさせていただく所存です。広島県立東城高等学校の創立85周年のお祝いと、今後の発展を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。

                     平成16年5月14日
                       広島県立東城高等学校PTA会長 亀田 集三




創立八十五周年記念式典挨拶

 朝起きて今日もまた一日夢に向かう、自分磨きの旅に出ます。旅先には自分を知り自分を磨く沢山の出会いがあります。そこは毎日同じ場所ではありますが、出会う人、聞ける意見、教わる知識・感動は一日一日違い、それは将来に繋がる最大の智恵となり、経験となり、最高の想い出となります。そう、私たちが毎日行き着く旅先というのは、今日八十五年もの間ずっと、保護者の方々、先生方に支えていただいたと同時に生徒たちが築きあげてきた偉大な場所、東城高校です。
 私たちが過ごすのはわずか三年間ではありますが、その中で私たちは、先生方、沢山の友達と勉強に、スポーツに、遊びに色々なことを経験することができます。また、沢山の意見を聞くことにより、時に嬉しい気持ちになり、時に悲しい気持ちになります。そんなことをここ東城高校という場で感じながら、生徒一人ひとりが自立した大人へと一歩一歩前進して行けるのです。
 思いきり勉強できるのも、思いきりクラブ活動ができるのも、思いきり青春が過ごせるのも、今日まで八十五年もの間ずっと諸先輩方が素晴らしい東城高校を築き上げて来て下さったお陰であると心より感謝しております。この東城高校との出会いを、友達との出会いを、先生方との出会いをたいへん誇りに思っています。そしてこの素敵な東城高校が何年先にも、温かい先生方、生徒たちの笑顔あふれる青春の場であるよう私たちが支え続けて行きたいと思います。
 最後になりましたが、本校創立八十五周年記念の式典にご参列いただきましたご来賓及びPTAの皆さま、保護者の方々、本日はお忙しい中本当にありがとうございました。
                     平成十六年五月十四日
                              生徒代表 名越美咲


来賓祝辞

 本来ですと遠藤町長が参りましてご祝辞を申しあげるのが本意でございますが、本日公務出張しておりますので、助役松永でございますが、祝辞を預かっておりますので代読をさせていただきます。
祝辞
 薫風が舞い、新緑が目に染みる本日、広島県立東城高等学校創立85周年記念式典が盛大に挙行されるにあたり、心からお喜び申し上げます。
 本校は、大正8年、東城町立実科高等女学校として創立されて以来、戦後の学制改革により県立東城高等学校となり、幾多の社会情勢の変遷の中で今日の進展を遂げてこられま
した。
 本日、この式典において、この輝かしい過去85年の星霜を回顧し、これを記念されます各位のご心中は、さぞ感慨無量のものがあろうと拝察いたし、心からご同慶に存ずる次第であります。併せて、この間、本校の発展に尽くされました教職員各位をはじめPTA、同窓会の皆様方の御労苦に対しまして、深く敬意を表する次第であります。
 県北における数少ない高等教育機関として、人間としての豊かな僻性を伸ばし、望ましい目標に向かって個人の可能性を最大限発揮させると同時に、平和的な国家・社会、地域づくりの形成者の育成を目指すため、更なる前進・飛躍を期待するところであります。
 私自身、本校卒業生の一人として“すずかけ”の木陰で友人数人相集い、青春の血を躍らせた経験など多くの在校時代の思い出が、脳裏をよぎります。“すずかけ”の校章のもと、生徒みんなが連帯し、自信と誇りをもって過ごした3年間でもありました。
 今後ますます本校教育が充実、発展され、併せて関係各位のご健勝ご活躍を心から祈念いたしまして祝辞といたします。

                             平成16年5月14日
                                 東城町長 遠 藤 晏 史



記念講演     演題 「少年非行の現状と健全育成」
            講師 岡野政義前広島県警察学校校長


  下川西出身の岡野でございます。たいそう立派な紹介をしていただいたのですが、長く勤めておったということであります。改めまして皆さん、こんにちは。みんな若いのに声が小さいなぁ〜。昼飯食べたんだろう。もう一回大きな声で挨拶しよう、こんにちは。やや聞こえるようになってきた。私、さっき紹介していただいたように警察学校という所で一年勤務しておりました。ここはですね、みんな非常に大きな声で返事をし、挨拶をします。何故するか、声が小さかったり、挨拶が出来なかったら、すぐそのままグランド10周と、こういうことですね、暑くても寒くても夜中であってもグランド10周がついて回るという厳しい訓練をしておりました。挨拶をするのも勉強の一つ。駆け足をするのも体を鍛える一つ。こういうことで、厳しい規律訓練をやっておりましたので非常にテキパキとした挨拶訓練をやっておったということでございますが、今日は演題にありますように、少年非行の現状、それから健全育成という演題を掲げて貰っております。
 私は警察に入りまして、警察の仕事の中で一番長くやっていましたのが、今の言い方で言いますと、生活安全部という業務になるわけですが、昔は防犯といった業務でした。その中で少年の補導官、あるいは少年課といったところで勤務していましたが、最も得意としていましたのは、通称特捜と言われる仕事でして、だいたい麻薬、覚醒剤、拳銃、賭博、風俗、こういった事犯を手掛けていまして、長年、九州から東京辺りまで暴力団を追いかけてウロウロしていたという仕事が主流でした。その中でもやはり少年を一応担当していたということで今日はその中の少年問題についての話を若干させて貰いたいと思います。おおむね30分程度ですね、私の話は前座でございまして、後ほど音楽隊の方からいい音楽がですね、生演奏してくれるということになっていますので、それまでの間しばらくお願いをいたします。
 それではまず皆さんの手元にですね、こうした非行少年等補導状況というパンフレットをお渡ししていると思います。これは広島県警で昨年一年間に補導あるいは検挙した非行少年、これの実態というものを表にしております。グラフにしたものをお配りしている訳です。広島県内で非行というのがどのくらいあるのかということですけれども、全般的にざっと言いますと、ここ5年間ずっと減少してきています。平成11年からずっと減少してきています。昨年一年間では、その概況の中の一番上の非行少年と書いたところの括弧1、概況というところのこの辺を見ていただければお分かりと思いますけど、昨年一年間で4393人の少年を補導しているということですね。そのうち女性が1042人、こういった少年が補導をされているということです。この中でですね、犯罪少年、触法少年、虞犯少年、といったちょっと分かりにくい言葉が書いてあると思います。犯罪少年というのはですね、14歳以上で20歳未満、未満というのは20歳は加えない19歳まで、これを犯罪少年。触法少年というのは14歳にならない少年、これを触法少年、このように言ってる訳です。このようにですね、触法少年、あるいは犯罪少年、こういったものがまとめてそういった数字になっているということです。
 それでは広島県のですね、非行が減少している、いい傾向だなと思われるかも知れませんが、これはですね、子どもの人数、いわゆる少年の人口が毎年6〜7千人減少しているわけです。ですから、その率から言うとですね、昨年は、一昨年が4413人いる訳で、昨年が4300ですから100人ぐらいしか減少していない訳ですね。ということは、減少率というのは非常に少ない、子どもが減る数よりも犯罪、こういったものの減る数が少ないということで、非常にまだまだ広島県ではそういうことを言ってみると大きな問題点があるということなんですね。で、これはですよ、先程言いましたように減少しているその中で、先程の補導した数字、これから見てみると中学生、あるいは高校生、これがどの程度いるのか、その横に括弧の2の表があります。学業・職業別という表がありますが、これをちょっと見ていただければお分かりと思います。ここの中学生という欄が1560と出ています。平成15年の欄を見ていただきたいですね。高校生が1466という数字です。全体の中で中学・高校、これが大半を占めているということがこの表でよくお分かりいただけると思います。ということは、広島県の非行の大半は中学生と高校生によって行われているということですね。
 じゃあ、その中学生や高校生が行っている非行というのはどんなものなのか、どういった非行をしているのかというのが、その2の欄の刑法犯少年というところの欄をちょっと見ていただきたいと思います。紫色になったところの欄があると思いますが、そこを見ていただければ窃盗犯というのがあります。窃盗犯の中には侵入盗、これは家に入る泥棒ですね。乗り物盗、乗り物盗というのは外においてあるいわゆるバイクであるとか、自動車であるとか、こういった乗り物を盗る、あるいは自転車を盗る、こういったような乗り物盗。ひったくりというのが次にあります。ひったくりというのは肩に掛けて歩いているハンドバックとか自転車の前かごにおいてあるカバン、そういったものを盗って逃げる、これがひったくり。その次に万引きというのがある。この全体の中で、万引きのところだけ数字が一段と多くなっている。1026という数字がここに出ている。ということはですね、どういうことか、この全体の中でも粗暴犯という暴行とか傷害とかですね、こういったような事犯というものも増えてきています。実際に暴走族によって恐喝が行われる、あるいはリンチが行われる、こういった事犯が非常に多くなってきている。しかしそれよりももっとダントツに多いのが万引き、これが非常に多い。これが一番大きな問題である、こういうことなんですね。その隣にですね、触法少年というのがありますけど、触法少年の中でもやはり万引きという欄が他の事犯と比べて非常に多い。飛び抜けて多い。ということでですね、この万引きが一番大きな原因となっている。
 この万引きについてですね、今いろいろ言われていますけど、ゲーム感覚で万引きをする、あるいはスリルを求める。学校によっては集団で万引きをして、そして盗ってきたものを、朝の学校での挨拶が「昨日なんぼやった。」「うち、三つよ。」「あなたなんぼ。」「あたし、七つよ。」ということで、「うちが頼んだものがある。」中にはそういう朝の挨拶代わりの会話がそういった話をする。「なんぼやった。」これは万引きを何件やった、あるいはなんぼ盗ったと。「うちの欲しかったものある。」あるいは「頼んだものある。」これは自分が今度やるとき何々盗ってきて、このように頼んで、そしてそれを実際に万引きして、あるいは万引きしてきた品物を学校で交換する、あるいは場合によっては売る、そういうことが行われるような学校も見てきている。というような状況でですね、この万引きというのが非常に大きな問題になってきている。一般的に万引きといえばよく「たかが万引きじゃないか」という人がよくいますね。それで、そういう話を捕まった、補導された子ども達に言いますとよく言われるんですね。というよりもやかましく言っていますと、今の若い子ども達はすぐ切れるんです。どう言うかというと「超むかつく」、「超むかつく」と言うんですね。ちょっと待て、腸はむかつかんのじゃ。むかつくのは胃がむかつくんじゃ、ということを言うんですが、そうするとポカンとして聞いている。これは余談ですけど、万引きをするにしてもですね、こうした小さなことだからという感覚で万引きをする、だんだんそれがエスカレートする、ということなんですが、万引きというのは法律の中にちゃんと規定されているのですね。万引きというのは法律の罪名で言えば、知っていると思いますが窃盗罪です。刑法235条です。他人の財物を窃取した者は窃盗の罪として10年以下の懲役に処す、と書いてあるのです。家に入って物を盗るのも、万引きを店先でするのも同じ10年以下の懲役ですね。ということを考えると、そんなに気安くできるものではない。しかし、それがですね、たかが万引きだとか、あるいは見つかったら運が悪い、あるいは見つかったら金を払えばいい、そういう言い方をする人がいます。そうするとですね、だんだんとそれがエスカレートして、また見つかっても金を払えばいいや。ある時、補導した少年の中にこんなのがいました。
 万引きをする度にそこのスーパーというのは警察に届け出る。届け出をするから警察官が行ってその子どもを、女の子ですけど連れて帰っていろいろ話を聞く。お母さんに迎えに来て貰う、ところがまたすぐ3回ぐらい続けてやる。それでその時に今度は3度目の時にはお母さんが迎えに来れなかった。たまたまお母さんが家に居られない、連絡が付かない、お父さんが迎えに来た。お父さんに電話をしました。お父さんに電話をしたところ、お父さんはうちの娘はそんなことをする子ではありません。ひどい剣幕で怒られました。とにかく娘さんに来ていただいております。子どもさんに来ていただいております。来てください。来られましていろいろと調査し説明しました。そのうちお母さんに連絡が付いて、お母さんも後から慌ててお見えになりました。その時にですね、分かったことが、お父さんは非常に厳格で厳しい方で、キチンとそういった違反行為、あるいは他人に迷惑を掛ける行為はやってはいけない、常日頃から言っておられる。お父さんとそういう話が常にあったものですからお母さんもお父さんに怒られたら怖い、お母さんと子どもが一緒になってお父さんに黙っておこうということになりまして、2回とも黙っている、そのためにお母さんが味方になっていたために、子どもはお母さんに迎えに来て貰えば済むといった安易な考えでついやった。お父さんが来られたとき、そこで夫婦げんかに入るんですが、それからは親子だけでなく、学校も、あるいは警察もみんな地域の方も一緒になって子どもの立ち直りを支援しようじゃないかということから話をしまして、結果的にはですね、学校をちゃんと卒業し、進学できることになった子どもさんもいますし、非常にこの万引きというのは大したことじゃあない、また店もまあこれくらいの金額なら、あるいは親もまあまあこれくらいならということをついつい思いがちになります。そういうことがだんだんエスカレートする原因になって来るんです。
 以前、笑い話ではないですが、赤信号みんなで渡れば怖くない、万引きも集団でやっていれば、あれもやっているだ怖くない。ところが認識ではですね、そういう認識をされていても、実際には非常に重い罪名の付いている犯罪になってくるわけです。従ってですね、安易にそういったようなことに手を染めるのではなく、自分でちゃんと決められたルールを守るということを常日頃から考えておいていただきたい。これは万引きだけでなくて、よく我々のところでは初発型非行という言葉を使って言いますけど、これは非行に走る一番最初の非行の事犯、どういったものかと言いますとその表の中にもあると思いますけど、初発型非行というのは万引き、それから乗り物盗、それから占有離脱物横領、非常に難しい言葉になっていますが、いわゆる盗った自転車あたりを投げて放置されている、それをまた乗って逃げる、これがそういう罪名になるということなんですが、こういった占有離脱物横領といったものも刑法にちゃんと規定されている立派な犯罪ということになるわけです。したがって、今よくこの小さなルールを守らないためにだんだんエスカレートしていって大きな犯罪になっていきます。
 学校ですからタバコを吸う人もいないとは思いますが、学校は今、先程校長先生に聞きますと、校内全域が禁煙であるということですが、当然、未成年者はタバコを吸ってはいけない。こういうルールが、よく言いますと大人のなんですよ。体に悪いから吸ってはいけないというのは大人だって健康に悪いのではないかと言う人もいますけれど、これもまた決められたルールであり、特に子どもには悪影響があるからということでそのように規制をされている。ですから皆さんも最初は、こういったタバコを吸う人、吸ったことがあるというか大人になったときでも、学生の時から吸ったことのある人は、最初は隠れて吸っている、人に見えないように。それがいつの間にかだんだんとエスカレートしていると見える所でも、あるいはアレが吸っているからオレもと安易な考え方になりやすい。そうしたことがすべてだんだんとエスカレートしてくる。
 もう一つ言いますと、皆さん方に手本を示していただきたいのは交通ルールの問題でもよくあることだと思います。広島市内辺りでも信号があるところには横断歩道があります。信号の手前で今止まっている、お母さんが幼稚円程度の子どもさんを連れて止まっている、信号が赤、そういう時に、車がいないと時々ですね、子どもの手を引いてサァサァサァサァーと渡られるお母さんがいます。中には子どもの方が、「お母さん、赤よ。」子どもの方はちゃんと幼稚園で、信号は赤で渡ちゃあいけんよと教えられているんです。お母さんも知ってるんですね。知っているけど、子どもたちを外に出すときは、「赤信号で渡ったら危ないから、渡ちゃあいけんよ。」とよく注意するんです。ところが、実際に自分が子どもと歩いていると、赤信号で車を右、左と見た、アッ、来てないな、サァサァサァサァーと渡る。そうすると子どもは何が分る。言葉では言うんですね、赤信号渡ってはいけない。見てから渡るのはいいけど、という風に子どもは子どもながらに感じてしまうのですね。そうした大人なり、我々先輩が小さい子どもに悪い影響を与える見本をついつい、慣れで示している。そういうことが子どもたちに悪影響を与えて、それがまた決められたルールというものを守らない、そういった風潮になってしまう。ですからタバコにしても然り、それから今の横断歩道の問題にしても然り、あるいは万引きの問題にしても然り、そうした小さなこと、これをキチンと守る、決められたこと定められたことはキチンと守る、信号、車が無くてもちゃんと辛抱して待つ、そういうことがですね、一つひとつ守られることによって社会のルールも、あるいは他人に迷惑を掛けないという、そういったことにも繋がってくるように思います。
 先般ですね、ニューヨークのジュニアーニ市長というのが来られまして大阪とか東京の方で講演されています。皆さん聞かれたことがあると思いますが、この方は破れ窓理論というのを言われています。破れ窓理論とは何か、ニューヨークというのは非常に犯罪の多い都市である、地下鉄は世界一危険な乗り物である、そのように言われていたのですが、今はニューヨークというのは世界でも優秀な安全な街である。地下鉄も安心して乗れる乗り物である。このように、これはですね、ジュリアーノ市長の提唱で小さなこと、いわゆる犯罪の強盗とか殺人とか、それもやらなければならないが、それはさしおいて電車の汚れを消そうじゃないか、電車の窓ガラスが割れたら、それは必ず修理して、そして走らそうじゃないか、そうした環境を整えて、環境を整える行為から始めていった結果ですね、非常に今はそれだけが原因じゃありませんがね、大きな原因の中の一つの中に伝えられています。それがそういったことで、今はニューヨーク市というのは安全な街となり、安全な地下鉄、安全な乗り物となっています。
 我々の所でも口で言うだけでなく、小さなルールから守る、実践をする、自ら範を示す、こういうことによって犯罪のない、そして明るい地域社会,こういうことになってくる。また、我々も道を誤らず、こうして世の中でいろいろお世話をさせていただくこともできる、またお世話になることもできる、このように考えているところです。本日は85周年という非常にめでたい席に呼んでいただいた訳ですけど時間の関係もあります、また拙い話で取り留めのないことを申しあげましたけれども、だいたい時間も来たようですので、ここで終わらせていただきますけど、本日は本当におめでとうございました。ありがとうございました。



記念演奏会

 中国新聞(平成16年5月15日)